レジデント向けモーニングレクチャー、今日は『腹痛』
筑波大学 総合診療グループ・地域医療教育学で、毎日行なっているレジデント向けモーニングレクチャー。
本日は『腹痛』をテーマに行いました。
参加者は、シニアレジデント、ジュニアレジデント、
北京大学医学部を卒業され、現在日本で実地トレーニングを受けている研修生など
総勢7人を対象に行いました。
今回は、参加者の感想をいただきましたので、ご紹介いたします。
●腹痛という症状からどのような鑑別を上げ、どのようにせまっていくかというレクチャーを行っていただきました。
大学で「症候学」の講義で聴いた以来のトピックで、今回のレクチャーでは特に2つの点が特に良かったと感じました。
1つは5,6人の少人数でのレクチャーということで双方向的な雰囲気の授業であったということです。
終始興味を持って聞くことができ、特にレクチャーを始める前に腹痛の各部位ごとの鑑別疾患を
知っている範囲で上げる機会があったことで、考えつかなかった疾患、特に消化器疾患以外のものは思いつきにくく、
自分の弱点であったのだと明らかにすることができました。
2つ目は、患者の訴えと、その訴えに対する陽性尤度比が書かれてあったことです、具体的な数値で、
所見の有用性がわかるという点で大変興味深く感じ、そのような勉強は今までしたことがなかったのですが
詳しく知ることは臨床医にとって有用なのだと認識しました。
やはり腹痛という症候一つをとっても覚えなければいけないことは無数にありこれからも
しっかり勉強をしていきたいと思います。(ジュニアレジデント1年、T.S.)
●腹痛と言っても部位によってそれぞれの鑑別があること、
またその部位でCommonな疾患と見落としてはいけない疾患のそれぞれを区別して考えないといけないと感じた。
そのためには、移動性、痛みの質、痛みが起こるタイミング、要因、関連した症状をしっかりと
患者さんに聞くことが重要だと感じたし、痛みの部位だけから、考えられる疾患を想起してはいけないということを学んだ。
また、検査においてはそれぞれの疾患によって有用性が非常に異なっており、その点においても気をつけて
鑑別診断をしていく必要があると言うことを学ぶことが出来た。(ジュニアレジデント1年、D.I.)
記載:阪本直人(日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医、日本内科学会認定内科医、地域医療教育学 講師)