第3回県南レジデントセミナーを開催しました
2011年6月20日(月)
第3回県南レジデントセミナーを開催しました。会場は筑波大学、救急初療をテーマに、19:30から2時間余りの熱気あふれるセミナーでした。
筑波大学附属病院、筑波メディカルセンター病院、東京医科大学茨城医療センターから初期研修医を中心に、学生も数名集まって、会場の部屋は予想以上の満員でした。メディカルセンターの鈴木將玄 総合診療科長の進行、総合診療グループスタッフ、チーフレジデントの指導で、20分のツボを押さえたレクチャーと、引き続き、模擬患者を相手に実際に体と頭を動かしてみるという、とても実践的な内容でした。
1つめは、チーフレジデントの林幹雄医師による、「救急初療の原則」。
ABCがおかしいぞ!→ 臥位にして、バイタルサインの測定 → 処置室へ移動 → OMIを実行してバイタルの安定化! この流れをカラダで覚えるようにしよう、とのこと。でも、苦しそうな模擬患者(スタッフがやりました)を前に、スムーズに動くのは意外と難しい。皆さん、イメージトレーニングと実践の繰り返しですよ! 因みに、OMIは、O:酸素投与(5Lマスク)、M:モニター装着、I:IVルート確保(生食)です。
2つめは、チーフレジデントの中澤一弘医師による、「意識障害」
研修医が当直をしていたら、ある病棟から意識状態の悪くなった患者さんを診てほしいとコールされて・・・というストーリーにそってレクチャーが進み、自然と引き込まれていきました。
ABCチェックとOMI、救急疾患では常にこれが重要です。そして、意識障害の初療にはDo DON’T! D:Dextrose(ブドウ糖)、O:Oxygen、N:Naloxone、T:Thiamine(ビタミンB1)。まずバイタルの安定化とDo DON’T。それから鑑別AIUEOTIPSです。
3つめは、メディカルセンター総診スタッフの廣瀬知人医師による「頭痛」
救急当直で、「ゲー、頭痛だ・・・」と思っていた人も、このセミナー後は、「頭痛か、よしやるぞ!」となって下さいね、と始まりました。
まずはじめに、重篤な頭痛を除外します。ポイントは、「人生最悪の頭痛か」、「増悪しているか」、「突然発症か」です。中でもクモ膜下出血と細菌性髄膜炎の診断・初期対応は詳しく教わりました。これらが除外できたら、commonな頭痛を考えましょう。病歴と身体所見が大切です。頭痛で受診するケースでは高率(約1/4)にうつ病がみられるので、うつ病のスクリーニングのための2 questionものがしてはなりません。
模擬患者はというと、やっぱりすごく頭が痛そう、辛そうです。研修医の皆さん、さすが5,6回目(各テーマで2ケースずつやりました)になると、危ないサインを見逃さず、手早くABCのチェック、OMIの実施をしてくれました。
実践編は、メディカルセンターでの実際のケースそのままのシナリオでしたので、リアルでした。
第4回が決まりましたらアナウンスしますので、是非ご参加ください!